ブラックな調剤薬局、あなたの意識一つで決まる?
更新:2023/04/06
[不安と悩み]ブラックな調剤薬局、という言葉は蔓延していますが、ではブラックな調剤薬局、というのはどのようなものでしょうか。
法律的にアウトなものはいずれ取り締まられる可能性があるとして、基本的にブラック、と呼ばれる企業は一人、もしくは複数人がブラックと認定し、薬剤師にとってはブラックリストに載せるべきだと考えたからです。
そのため、ある調剤薬局が自分にとってはブラックでも人にとってはホワイトの可能性もありますし、逆の可能性もあります。
そのことを念頭に、ブラックと定義付けられやすい調剤薬局の項目について実際の体験談を通じてみていきましょう☆☆☆
この記事の内容はこれ!
ブラックな調剤薬局はどんなところか?を体験談で見てみる
第三者の目で気づいた!ブラック調剤薬局体験談
大手の評判のいい調剤薬局に入れた私は、働きやすいホワイトな調剤薬局に就職できたと未来は明るいと確信していました。
患者さんから作業しているところが見えるところにある調剤薬局、そんな窓口業務の職場であれば書類は整理整頓され、すっきりした空間になっているはず・・・
普通に考えたらそうなるかと思います。
しかし、私が就職した調剤薬局は違いました。ちょっと服薬指導中に患者さんが背を伸ばされたら私たちの足元に散乱した資料や捨てられていない梱包の箱がみえてしまうレベルでした。
もちろん片付けなければならないのは重々承知、ただその時間がない、見るたびに片付けなければと思うのに忙しすぎて気が回らない、手が出せない・・・そんな状況が当然になりつつある生活の中、残業をこなしながら日々を過ごしているとふと気づいたらそんなごみの山があって普通という精神状態になっていました。
ある日ふとそのごみの山をきちんとごみの山と認識したときに自分がブラック調剤薬局にいるのかも・・・と思いました。
そこで初めてブラック調剤薬局、という言葉について検索してみると、自分の職場に重なる点がたくさんあることに気づきました。
まず、設備がやたら古いことです。休憩室には一応椅子はあってもだいぶ古いのか、傾いていました。
座る面積も狭いので、万が一体調不良になった時には椅子をつなげてベット替わりにすることもできません。完全にケチっている感じで、働く従業員のことを考えていない感じでした。
次に職場の雰囲気の悪さです。
忙しすぎてお互いの顔もなかなか見れないので気づかなかったのですが、あいさつもまともにしていないことに気づきました。しゃべったとしてもお互い愚痴ばかりで、それを避けていたら本当に言葉を交わさなくなっていました。
特に店長や同僚と話す機会は用意されていないので、自分から動かなければいけないのですが、それをする気力もありませんでした。
次に自分の職場を友人に伝えたら「めっちゃ職場環境がいいと謳ってる割に常に薬剤師募集しているとこだよね?」といわれたことです。
自分の会社のホームページを見に行くと、確かに過剰なほどに職場環境の良さを語り、残業なし!など夢のような言葉を並べていました。
知らなかった自分もどうかと思いましたが、さすがに呆れました。さらに社長の一言、経営方針などを改めてみて、そんな奇麗事にはまったく共感できないことに気づきました。
ここまでブラック調剤薬局の条件に当てはまっていることに愕然としましたが、逆にすっきりとした気分で転職を目指すことができました。
次はぜひ職場をじかに確認し、ホームページを見てから転職先を選びたいと思います。
体験談から分かるブラック調剤薬局の特徴3つ
ブラック調剤薬局の特徴を洗い出すと以下3点があげられます。
1.一見ホワイト…隠れブラックな職場環境
整理されていない職場環境は薬剤師の集中力を乱し、仕事の生産性を下げることになります。また、薬剤師が整理ができていない環境を良しとしてしまうほど精神的に、肉体的に追いつめられている可能性があります。それは言わずともブラック調剤薬局の可能性をはらんでいます。
このような薬局は、明確な理由がネット上にないが、大手なのに薬局を薬剤師が辞めたいという声がよく聞かれることが多いです。働きやすい調剤薬局という売り文句で休暇制度や働き方に様々な工夫をしているように見えてもあまり成果が出ていない場合、注意が必要です。
このような場合、きちんと口コミサイトなどで事前に調剤薬局の退職理由を探しても正確に根本的原因が理解できていないため、理由がばらばらになってしまい、問題点が見えてこないことがあります。
2.人によるブラックな経営方針
不具合があったら、もしくは数年に一度は設備を整える、という物理的なものから上司との面談の場を設ける、といった決まり事までいろいろなルールがありますが、その根底にあるのが経営方針です。
そのため、薬剤師が経営方針を受け入れられない、理解できない場合、仕事をするのがつらくなってしまいます。経営方針が薬剤師に受け入れられていない職場はブラック調剤薬局の可能性大です。
3.優先順位でブラックな残業事情
整理整頓の暇もないほど仕事があることから当然のように残業が在ったことがうかがえます。残業は仕事をするうえで基本的に避けられませんが、残業があることを当然とするのは話が違います。残業分も給与があればいいや、と思えるならたとえブラック気味でもあなたが納得していたら良いですが、万が一残業分の給与が十分出ないとなれば、疑いようのないブラックな調剤薬局なので注意です。
ここで、大手調剤薬局と中小調剤薬局のどちらのほうがブラックな可能性が高いのか?ということが論争になるので、次はそれぞれのメリットとデメリットを洗い出し、それぞれのデメリットがブラックと感じることに繋がるのかを検証してみたいと思います。
でもこの時点ですでに「自分の職場はブラック3つの特徴に当てはまるから、早く結論が知りたい」という方は
>>>「結論!全くホワイトな調剤薬局は無い!ブラックかどうかは価値観で決まる」へ
大手調剤薬局と中小調剤薬局のメリットとデメリット
大手調剤薬局のメリット、リソース!
大手調剤薬局のメリットはその規模からくるリソースの豊かさでしょう。
多くの従業員を抱えることでヘルプをもらいやすく、比較的お休みを申請しやすい、多くの店舗を抱えることから引っ越しなどに伴う異動が容易、さらに接客実績が積みやすいことから教育資料の充実が望めます。
大手調剤薬局のデメリットとブラックと感じることに繋がるか検証!
逆に言えば、多くの人がかかわるため一人一人の声が聞こえずらくなり、歯車の一部と感じて個人のやる気を奪ってしまうことがデメリットといえます。
すでに確立された教育や作業システムがあることでそれに従っていれば楽ですが、変更を行うのは難しく、例えもっと効率の良い方法を思いついてもなかなか実現できないでしょう。また、一つの店舗で残業を多く抱えて頑張ってもそれは数字としてしか記録されず、個人の努力が評価されるのも難しいでしょう。
さらに会社都合での異動や経営方針の変更は従業員に負担を与え、ブラック調剤薬局と思われる要因となるでしょう。
しかし、それも多くの経験が積めるチャレンジングな環境で働ける!とポジティブに考えられれば、一見ブラックな調剤薬局もホワイトな職場になります。要するに、本人の意識次第の部分が大きいといえます。
中小調剤薬局のメリット、やりがい!
中小調剤薬局であれば、人員リソースは大手調剤薬局には負けますが、その分一人一人の力が発揮できる場所であるといえます。
社会の歯車、調剤薬局でいなくなっても代わりがいるとおもうことは少ないので、自分の居場所を確信できる、やりがいが生まれるという精神的メリットがあります。
中小調剤薬局のデメリットとブラックと感じることに繋がるか検証!
しかし、人がいない分少人数で各店舗を回さなければならず、連休や法的に保障されている産休や育休などのお休みも取りにくい場合があります。
また、きちんとした研修制度が整備されておらず他業種からの転職者には厳しい環境が準備されていて、それをブラックと感じることもあるでしょう。
しかし、それを自分なりに仕事のコツをつかみに行ける、などプラスに転じられるならばブラック企業の可能性とは感じないかもしれません。
また、人が少ない分、一人当たりに任される仕事の種類が多くなりがちで、それが負担になることも考えられます。それを挑戦と受け取ってゴールとしてやりがいを見出すことでデメリットを軽減できます。
外部の人に話してみてブラックだったと気づくことも
ブラックな調剤薬局かどうか疑わしい調剤薬局はありますが、その中で、もし法律を遵守していない場合は完全にブラック調剤薬局と認定してもよいですが、グレーゾーンが存在します。それは、ブラックがどうかというのは個人の感覚によるところも多くあるからです。
ブラック調剤薬局ではないと思って働けているのであればよいとも言えますが、実際に外部の人に話すことで矛盾点を見つけることにつながることがあるので、あまり一人で納得せず、外部の人の意見を聞くのも重要でしょう。
結論!全くホワイトな調剤薬局は無い!ブラックかどうかは価値観で決まる
自分がいかにホワイトな調剤薬局に勤めていると思っていても、外部の人の意見を聞いていると「その薬局完全にホワイトだね!」といわれる可能性は非常に少ないです。
一度2chで転職候補先の企業の名前を入れてみて下さい。小さい企業や知名度の低い会社でない限り、何かしら引っかかること必至です。ホワイト企業ランキング上位に食い込む会社であっても、ブラック企業ランキングにも入っていることも珍しくありません。
それは、ブラック企業かどうか、というのは人の価値観によるところが大きいからです。そのため、じゃあ、次の転職先はだれが見てもホワイトな企業に!という目標を持っていると候補先がゼロになってしまいます。
でもだからといって諦めから入るのはだめです。
法律的にも引っかかるブラック企業は避けて、あなたがブラックと感じる要素がない会社を選ぶことが重要です。
あなたにとってホワイトな調剤薬局
転職で給料アップを目指す人はより多くの仕事を任される薬局を選ぶ
転職による給与アップを目指すのであれば、できるだけ多くの経験を積むことが必要です。しかも、幅を利かせるために、できるだけ広く経験することが得です。
もし自分の薬局を運営することも視野に知れているのであれば、調剤業務以外にも、経営に関する部分にもかかわっていたほうが後々に役立ちます。ただし、だからといって明らかにブラックといえるほどの業務量である場合は避けましょう。
隠れブラックに注意!
パット見ブラックでなくとも、いろいろな業務に携われるといったうたい文句でありながら、明らかに医療事務に任せたほうがいいルーチン作業も薬剤師に任せることでコストダウンを狙っているグレーゾーンである隠れブラックには注意が必要です。
私生活重視!な人は大手のSOP充実の薬局を選ぶ
SOPが充実している薬局はすべてにおいてルールがあるので、残業もないこと、もしくは上限が厳しく規定されていることが多いので、私生活を充実させたい人には有利です。
きっちり休みも取れて、残業分代休が取れるのも魅力です。さらに、文書規定がしっかりしているのは大手がほとんどなので、人的リソースも豊富で、ヘルプも呼びやすく、急なシフト変更にも対応できる可能性が大です。
隠れブラックに注意!
なお、なんちゃってSOPという表向きだけの文書規定の会社はグレーゾーンである隠れブラックである可能性があるので注意しましょう。
ルーチン業務集中したい人は自己学習メインの薬局を選ぶ
薬剤師教育のため、毎週のようにMRさんを呼んで講習を開いたり、勉強会を開く薬局があります。もちろん、勉強熱心な薬剤師さんにはうれしい環境かもしれませんが、ルーチンワークに没頭したい方には苦痛です。
あまりイレギュラーのなく、規則正しい就業環境が欲しい人はいわゆる自己啓発に任せた形の調剤薬局がお勧めです。あまり教育制度の整っていない中小の調剤薬局がこれにあたります。
隠れブラックに注意!
ただし、必要最低限の講習も時間の無駄と決めつけるようなグレーゾーンである隠れブラックもあるので、新人研修やフォローアップ研修などの最低限の講習があることを確認しましょう。
がっつり稼ぎたい!という人はたくさん施設を担当している薬局を選ぶ
残業は嫌い!という人も多いですが、むしろ残業を積極的にして残業代を稼ぎたいという方もいるでしょう。
その場合、多くの施設を請け負えるような店舗配置の拡大を狙っている成長中の調剤薬局がいいでしょう。成長をもくろむ野心的な調剤薬局はどんどん営業し、担当施設を増やそうとします。
しかし、成長途中だと店舗数が施設数に追い付かず、たくさんの仕事が生まれます。その状況での残業は無理もないので、申請が通らないことはあまりないでしょう。
隠れブラックに注意!
ただ、そのような状況でも残業代の支払いを渋るようでしたら、会社の成長のために必要な資金という先見の目がない企業ということなので、早々に縁を切りましょう。
細かく残業規定をし、払わない方向にもっていこうとするようなグレーゾーンである隠れブラックがあるので、内情を確認することが重要です。
あなたにとってホワイトな調剤薬局の具体的な探し方
上記も参考に、転職の際にはまずは自分の中で考えられる限りの就業条件を並べてみましょう。
定番である給与や残業時間、休日をはじめ、店舗の配置、教育制度(OJTメインか座学メインかなど)、男女比、有給休暇取得率、離職率・・・
挙げていけばきりがありませんが、できるだけ細かく挙げていきましょう。
調剤薬局の求人は非常に多く、ほとんどの場合最終的にどこに決定するのかを迷います。
また、情報源はできるだけ多く持ちましょう。インターネット、家族、大学時代の同級生・・・一つであればバイアスがかかってしまうのでなるべく多く確保しておくのがよいでしょう。特に大学時代の同級生は実際に同じ業界にいる可能性が高いので大切にしましょう。
もちろん人の意見や情報を信頼するのもよいですが実際に自分でHPを見に行ったり、キーワードを検索したりなどして、確認していくのも重要です。
でも自分で隠れブラックを回避して求人を探すのはやっぱり大変
完全なブラックは避けるものとして、グレーゾーンの隠れブラックな点に注意しながら自分にとってのホワイト企業を見つけることが重要です。しかしそんなことを言われてはいそうですね、とやりかたを見出すのは非常に難しいです。自分で調べるたり、確信するには不安があるという方は転職サイトに登録して転職コンサルタントに調べてもらい、転職先に確約をしてもらえるように交渉してもらいましょう。
初めての転職で転職サイトに登録する、というイメージがあるかもしれませんが、初めての転職はもちろんのこと、何度目かの転職でもプロにお願いするのが一番です。初めてでしたら見逃した点があるかもしれませんし、経験者は、もしかしたらまだ見えていないから何度も転職を行ってしまっているのかもしれません。
転職サイトへの登録は無料ですので、まずは転職サイトへ登録することで情報収集を始めましょう。
いざというときに備えて薬剤師転職サイトに登録しておこう!
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