地方は薬剤師不足で高給の求人が多い!?転職の4つのメリットや注意点
更新:2023/03/30
[不安と悩み]地方で薬剤師不足が叫ばれて久しいです。私立の薬学部の乱立などから薬剤師の数は将来的に飽和状態になるのではないか、という心配がされる中であってもです。
もちろんそれは、地方のほうが単純に住みづらい、という点も挙げられますが、他にも大手のチェーン薬局の戦略的店舗拡大、ドラッグストアの調剤併設化、そして第一類医薬品販売、そしてチーム医療や在宅医療の浸透が理由として挙げられます。
しかし、地方薬剤師を取り巻く環境は変わりつつあります。薬剤師に避けられがちだった地方勤務ですが、実は地方で働くメリットはたくさんあるのです。その内容について少し掘り下げてみましょう☆☆☆
この記事の内容はこれ!
地方の薬剤師が減るのは大手薬局チェーンのせい!?
地方の薬剤師が減るのに大手薬局チェーンがどう影響するのでしょうか?
簡単に言ってしまうと、大手薬局はブランド力もありますが、教育に力を入れていることやキャリアアップできることなど、薬剤師にとって長い目で見た利点を強調してて、逆に地方の中小だと、一時的なメリットしかないように見られているからでしょう。
さて、大手薬局チェーンは、地方の隅々にまで店舗を展開しています。現在南は沖縄から北は北海道まで本当に幅広い地方に存在しています。
そんな地方に強い薬局チェーンですが、経営戦略として、店舗をきちんと利益が出る所、つまりある程度人(客)がいる地方にしか店舗を出しません。
(これは、商売をしていく上では重要な事なのですが、薬剤師を必要としている人に技術を届けるという医療の根本にはとてもそぐいませんよね。)
つまり、一口に「地方」と言っても、”大手薬局チェーンのある「地方」”と”大手薬局チェーンのない「地方」”があるということになるのです。
大手薬局チェーンのせいで薬剤師が減っているのは、”大手薬局チェーンのない「地方」”なのです。(この項でお話する「地方」については、このような「地方」を想定してください)
もちろん、こうした地方にも地元ならではの中小の薬局は存在しますが、なかなか薬剤師を確保できずにいます。
不人気地方ではそもそも交通の便が悪いことから就職希望の薬剤師に人気がありません。
しかし、実はそれ以上に中小の薬局ではあまり教育に力を入れていないことから、特に新卒薬剤師にとって魅力が少なくなります。
例え新卒であろうが、中途であろうが大手薬局チェーンでは、技術や知識の均一性を保つため、新人研修制度を導入していて、それを実際にちゃんと実施している傾向が大きいです。
それは相対的に地方の中小薬局にとって、キャリアアップを目指す転職者に対するアピール力の低下に繋がります。
このような点から、教育制度のしっかりしている大手薬局チェーンのせいで地方の中小は余計に目の前の給料アップくらいしかアピールできず、地方の薬剤師が減っている要因の1つといえるでしょう。
地方ではほんとうに深刻な薬剤師不足に陥っていることから、企業側もだれでもいいからとりあえず薬剤師を雇いたい!
というところも多く、破格な給与面での待遇で薬剤師を集めようとする地方もありますが、その結果はまあまあ、と言ったところでしょう。
地方 薬剤師は将来性を考えて薬局以外を選ぶべき?
地方の薬剤師が薬局で人手不足に陥る理由の1つに、人を集めるために使っている手段がお金などの一時的なものでしかない場合が多いということが挙げられます。
さらに、派遣で短期だということを強調して、割のいいアルバイトという響きで薬剤師の確保を行おうとしているところもあります。
いくら薬剤師不足、と言ってもそれは一部の仕事のみで、他の企業や病院などでは、そこで働きたいのに働けないという薬剤師も数多くいます。
ではなぜ調剤薬局で特に薬剤師不足が叫ばれるのでしょうか?
地方と言っても、病院や企業でそこまで薬剤師不足の声が聞こえないのは、その教育や将来性からではないでしょうか。
もちろん、薬局で働いていて将来的に仕事がなくなるというような話ではありません。
ただ変化がなく、物足りなさを感じることで働く意欲が少しずつなくなっていてしまう可能性の問題です。
薬局から病院や企業といった職種に転職を希望する人の多くが技術を磨きたい、スキルを上げたいという思いを持っています。
薬局は言ってしまえば一般職業の中では公務員的な立場なのです。
育児などで一度仕事から離れても復帰できる、そんな安心感がある場所であることから特に女性に人気ですが、学生時代に培った知識や技術をフルで応用できているか、というとすこし違います。
そのため、多くの薬局ではより高額な年収、好条件の多い手当などの他にも、より将来に活かせるような研修に力を入れていこうという傾向が生まれています。
地方では、人が少ないことから、早くからさまざまな仕事を任せられ、成長できる、という点を強調し、将来性を強調する旨の充実した教育制度やキャリアアップ体制の有無を示す求人も多くなってきました。
特に地方だと、地域に密着した仕事であり、在宅医療も主流になってくることから、在宅医療に関わっていきたい、地域で患者さんときちんと目を合わせて仕事を行いたいと考えるならば、転職先としてオススメです。
薬剤師が地方で働くメリット
薬剤師が地方で働くメリットは、次の4つがあります。
- 高給の求人が多い
- 在宅医療にかかわることができる
- 比較的のんびり働ける
- 場所によっては趣味を充実させることができる
この4つのメリットを詳しく知れば、地方で働いてみたいと思えるようになりますよ!
高給の求人が多い
薬剤師が地方で働くメリットの1つ目は、高給の求人が多いことです。地方でも企業や病院はそれほど薬剤師が不足していませんが、薬局では薬剤師不足が深刻ですので、給料を高めにして薬剤師を確保しようとしているのです。
本当に地方は高給の求人が多いのか、都市部と田舎で年収600万円以上稼げる求人の割合の違いを見ていきましょう。
一般的には都市部の方が物価が高い分、給料が高いという傾向がありますが、薬剤師に関してはそれが完全に逆転しています。
薬剤師は地方の田舎のほうが高給の求人が多いのです。
特に、最初に説明したように大手薬局チェーンが進出していない地方では、調剤薬局の高給の求人を見つけるのにはそれほど苦労しません。
年収600万円以上可の求人が50%以上の愛媛県の求人の一例をご紹介します。
また、大手薬局チェーンがそこまで乱立していない地域の小規模薬局も高給の求人を出しています。
このように地方なら、高給の薬局の求人を見つけるのは可能です。都会から地方に転職して、一気に年収アップということも夢ではありません。
在宅医療にかかわることができる
薬剤師が地方で働くメリットの2つ目は、在宅医療にかかわることができる点です。
地方の薬局では、患者さんの自宅を訪問して薬を届けたり、服薬指導をすることが多々あります。
地方は高齢者が多く、自分で定期的に薬局に通うことができないため、薬剤師が在宅医療に積極的にかかわっているケースが多いんです。
そのため、地方で働くと、患者さんと深くかかわりを持ちながら仕事ができるのです。これは、都会では経験しにくいことだと思います。
比較的のんびり働ける
薬剤師が地方に転職すると、比較的のんびり働けるというメリットもあります。
給料が高いなら忙しいのでは?と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。
地方は都会に比べて患者数が少ないので、仕事量はそれほど多くありません。また、忙しい中、時間に追われながら処方薬をもらいに来るような人も少ないので、全体的にのんびりした雰囲気の中で働くことができるのです。
場所によっては趣味を充実させることができる
薬剤師が地方で働くメリットの4つ目は、趣味を充実させることができることです。
例えば、ダイビングやマリンスポーツが好きな人は、沖縄や伊豆、高知県などで働くと、趣味を楽しみつつ仕事ができます。
ウィンタースポーツが好きなら北海道や北陸地方で働くと良いですし、温泉大好きなら大分県や伊豆、東北あたりで働くと、休みの日には温泉巡りができますね。
釣り好きの人は、海釣りや渓流釣りなどが楽しめる地方で働けば、週末が待ち遠しくて仕方がなくなるでしょう。
地方では都会にはないアウトドアの趣味を楽しむことができるので、そのような趣味を持っている人にとっては最高の環境と言えるでしょう。
薬剤師が地方で働く4つのデメリット
薬剤師が地方で働くと、高収入で毎日が楽しい!というメリットだけではありません。次の4つのデメリットがあります。
- 人間関係が面倒なことが多い
- 都会に比べると不便
- 生活をゼロから構築していかなくてはいけない
- キャリアアップがしにくい
地方への転職に興味を持っている薬剤師は、この4つのデメリットをしっかり確認してから、本当に地方へ転職するかを決めましょう。
人間関係が面倒なことが多い
薬剤師が地方で働くデメリットの1つ目は、人間関係が面倒なことが多いことです。都会では考えられないほど地方の人間関係は濃密です。
良く言えばみんな親切で親身になって家族のように接してくれますが、悪く言えばお節介でパーソナルスペースにどんどん踏み込んできます。
ご近所付き合いをしなくてはいけないこともありますし、自宅を訪問するなど患者さんとも密にかかわることが多いです。
そのため、都会での生活が長い人にとっては、地方特有の人間関係の近さが煩わしく感じることもあります。
都会に比べると不便
薬剤師が地方で働くデメリットの2つ目は、都会に比べると不便です。
大手薬局チェーンが進出していないような地方は、車がないと何もできません。車があっても、最寄りのコンビニまで車で10分以上かかることもあります。
娯楽も少ないですね。
ただ、ネットスーパー&ネット通販を大活用すれば、そこまで不便を感じないかもしれません。
生活をゼロから構築していかなくてはいけない
薬剤師が地方に転職すると、生活をゼロから構築しなければいけないということもデメリットの1つです。
知らない土地で、知り合いが1人もいない状態で生活を始めるのは、どんなにポジティブな人でもストレスを感じることが多いです。
一緒にご飯を食べに行くような友達、休日に遊びに行く友達がなかなかできないと何時も1人で過ごさなくてはいけません。
キャリアアップがしにくい
薬剤師が地方へ転職する場合、薬局やドラッグストアで働くことになるケースが多いですが、その場合キャリアアップがしにくいというデメリットが出てきます。
地方で薬剤師が高給与を稼ぐためには、薬剤師が不足している小規模な職場を選ぶことになります。
そういった職場では、研修制度がなく、薬剤師としてのキャリアアップがしにくいことがあります。
ただ、都会ではなかなかできない在宅医療を学べるというメリットがありますので、自分で積極的に学ぶ姿勢を持っていれば、キャリアアップが全くできないわけではありません。
薬剤師が地方で働く4つの注意点
薬剤師が地方で働く時には、次の4つのことを注意しておく必要があります。
- 求人情報についてくまなくチェックする
- その土地を下見しておく
- 地方の薬剤師も好きな仕事に就くためには切磋琢磨!
- 転職サイトを利用する
地方で働こうと思っている薬剤師は、転職後に後悔しないためにもこの4つのことに注意して転職をしましょう。
求人情報についてくまなくチェックする
地方で薬剤師が働くなら、求人情報についてくまなくチェックしましょう。
地方の高給の求人は、基本的に小規模な職場が多いですので、福利厚生が整っていないことがあります。
その一方で求人によっては、住宅手当支給、もしくは社宅を無料貸与、引越し支援、育児手当や資格手当などの各種手当が充実しているものもあります。
つまり、求人によって給与以外にどんな補助を受けられるかは全然異なるのです。
さらに、研修制度や残業時間、昇給額などもチェックしておかなくてはいけません。
その土地を下見しておく
地方へ転職を考えているなら、採用試験を受ける前にその土地を下見しておきましょう。
Google Map等で見るのと、実際に自分の目で見るのでは、感じることが違います。
本当にそこで生活していけるのか、その土地での楽しみを見つけられるのかを考えてから、採用試験を受けると良いでしょう。
地方の薬剤師も好きな仕事に就くためには切磋琢磨!
地方で薬剤師がまだ不足していますが、前にも述べたように、たとえ地方でも病院や企業で薬剤師が不足していることはほとんどありません。
今後この職種間での薬剤師の需要に関しては、さらに差が開くことが考えられます。
2年間の新卒薬剤師ゼロの期間を経て、再び薬剤師の数は増え、不況の波に煽られて、家に入ったり、別の薬剤師免許を必要としない仕事についていた人が薬剤師としての復帰を果たすなどして、着実に薬剤師に人気のある職業には人が集まり、逆に人気のないところは過疎化しています。
しかし、全体的に見れば、ほとんどすべての薬剤師の仕事において、需要の増加が見込まれているといいます。
それでも地方の薬剤師は少ないので、基本的に採用面接などで、どうしても個人での能力の競争が起こりにくい傾向にあります。
そのため、どうしても都会の薬剤師に比べ、自分の能力を高めて、より良い職場を獲得するという意欲に欠けてしまいます。
しかし、それではその時点であなたの薬剤師のスキルは頭打ちになってしまいます。
それが絶対に悪いことと断言するわけではありませんが、薬剤師という専門職である以上、常に個人としての能力を高めていく必要はあると思います。
それに、もしかしたら地方で働いていく中で、もっと良い求人を見つけるかもしれません。やっぱり都会で働きたいと思うかもしれません。
その時に、好きな仕事に就けるためには、地方で働きながらもしっかりスキルアップを意識しておかないいといけないのです。
薬剤師転職サイトを利用する
地方へ転職を考えている薬剤師は、薬剤師転職サイトを利用して求人を探しましょう。
地方へ転職すると給料がアップするし、趣味を楽しめるし、のんびり生活できる!でも、知らない土地の求人はどうやって探せば良いのか迷いませんか?
知らない土地の求人を探したとしても、そこはどんな職場なのか、どんな雰囲気なのか、どんな場所にある職場で、近隣にはどんなお店があるのか。
これらのことを自分で調べるのは難しいです。そういう時に便利なのが薬剤師転職サイトです。
ここでご紹介している薬剤師転職サイトでは、全国各地の薬剤師求人を扱っていますので、気になる地方の求人を簡単に探すことができます。
しかも、担当のコンサルタントがあなたに代わって細かい部分までしっかり調べてくれますので、知らない地方でも安心して転職することができるのです。
まとめ
地方の薬剤師不足の原因や実情、地方に転職するメリット・デメリット、注意点をまとめました。
地方で働くことは敬遠されがちですが、ちょっと考え方を変えてみると、地方で働くのも悪くない。むしろ、良いことがたくさんあることがお分かりいただけたと思います。
地方への転職を考えている人は、薬剤師転職支援サイトを使ってみましょう。全国各地の薬剤師求人を扱っていますので、働いてみたい地方の高給与の求人を簡単に見つけることができますよ!
いざというときに備えて薬剤師転職サイトに登録しておこう!
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