耳鼻科の門前薬局で薬剤師が働く上での注意点
更新:2023/04/24
[職種・勤務先]耳鼻科の門前薬局で薬剤師が働く事を考える上で、どのような注意点があるでしょうか。
非常に狭い範囲の処方となるからそこまで特殊なものではない、と考える方もおられますが、対応すべき病気の範囲、年齢層を考えると実は非常に特殊な分野とも言えます。
それを念頭に置いて、より詳しく耳鼻科の門前薬局で働くということを見ていきましょう☆☆☆
耳鼻科の門前薬局の薬剤師の取り扱う医薬品の範囲
耳鼻科の門前薬局の薬剤師が扱うのは、顔面から頸部にかけて存在している臓器の疾患に対する処方薬です。
そのため、耳鼻科、といえど耳や鼻だけでなく、咽頭や耳下腺の疾患も取り扱うため、耳鼻咽喉科と呼ばれることもあり、その結果薬剤師が取り扱うべき薬の範囲が広がるといえます。
また、耳鼻科の門前薬局で働くなら、科で見れば実は小児科に次いで小児の患者数の数が多いことを念頭に置くべきです。
その理由は、耳鼻科系の病は子どもにおいて多いからです。
最も代表的なものに中耳炎があります。抗菌剤を投薬する治療法であれば、小児科でも十分対応出来ますが、さらなる処置が必要と判断されれば小児科から耳鼻科医を紹介され、その結果その患者さんは耳鼻科の門前薬局を訪れることになります。
他にも、未就学児がアレルギー性鼻炎を患った場合、自力で鼻を噛むことが出来ないので、耳鼻科で鼻水の吸引をすることがあり、その結果、子どもの患者さんが増えるということに繋がるのです。
そのようなことから、耳鼻科の門前薬局の待合室には、子どもが好きそうなおもちゃなどが用意してあったり、お子さんを連れてきた親御さんのための雑誌等が準備されていて、それらの整備も薬剤師に任されることがあるでしょう。
耳鼻科の門前薬局、薬剤師が知っておくべき患者さん事情
耳鼻科の門前薬局の薬剤師は患者さんに子どもが多いことから小児科の門前薬局と同じような苦労が予想されます。
患者さんである子どもは体調が悪いことでぐずってしまうかもしれませんし、興奮して薬局内を走り回ったり、他の患者さんやその保護者の方に迷惑をかけてしまう場合があります。
子どもだからと大目に見られるところもあるでしょうが、それに苛々した他の患者さんに薬剤師がクレームをつけられることもあります。
そのため、耳鼻科の門前薬局では子どものためのスペースを用意したり、大人の患者さんや保護者の方がリラックスできる空間づくりに務める必要があります。
折りたたみ式の簡単だけど硬い椅子や簡素な机を用意するのではなく、見た目にも良い、すわり心地の良いソファや重厚感ある机を用意するといったことも心がけると良いでしょう。
他にもよくある工夫としては、ドリンクサーバーを設置したり、漫画や雑誌を揃えるといったものです。
耳鼻科の門前薬局と薬剤師を考えてみると
耳鼻科の門前薬局で薬剤師が扱う医薬品の種類は、他の外科系に比較するとやや多く、内科系と比べると少ないです。
扱う内服薬としてよく挙げられるのは、去痰薬や抗アレルギー薬、さらに抗菌薬や抗炎症薬といったものです。
他にも点耳薬や点鼻薬、軟膏といった外用薬が処方されることもあります。
いずれにせよ、使用方法については服薬指導の際に薬剤師がきちんと伝える必要があります。
耳鼻科では慢性的な疾病の患者さんも多く訪れるため、1か月以上という長期の投薬も多くなります。
さらに、処方される内服薬の種類はそこまで多くないことから一包化の指示がなかなか出ません。そのため、どの薬をどのタイミングで取るといった細かな指示出しが必要になります。
高齢者や小さいお子さんであれば、保護者の方にも説明が必要になるでしょう。
調剤に関しては、内服メインであることもあり、難しい調製はほとんどありません。そのため、調剤に関する経験はそこまで必要としない場所と言えるでしょう。
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