薬剤師は不足していない?これからはどうなる?地域格差が大きい現状を解説
更新:2023/05/17
[不安と悩み]「薬剤師は不足しているから、転職が簡単!」
このように思い込んでいませんか?
実は、薬剤師が不足している時代はもう終わり。
これからは薬剤師過剰時代が到来する可能性があるんです。
薬剤師が不足していないなら、需要と供給の関係で転職は難しくなります。
「え?じゃあ、どうすれば良いの?」
と不安になっているあなたのために、薬剤師が不足してない現状や今後の展望、さらに地域格差や薬剤師が不足していない状況での転職成功のカギについて解説していきます。
薬剤師が不足する時代はもう終わり?
薬剤師が不足している。
これは、一昔前のこと。
現在は薬剤師は不足していません。
「え?高齢者が増加しているから、医療職は不足しているって聞いたけれど」
確かに、医師や看護師は不足しています。
でも、薬剤師は例外です。
薬剤師は不足していません。
確かに、一昔前までは薬剤師は不足していました。
高齢者の増加や調剤併設型のドラッグストアが増えたことで、薬剤師の需要が高かったからです。
しかし、2000年代に薬学部の新設ラッシュがあり、2002年には薬学部の定員は8,200人程度だったのに対し、2020年の定員は約13,000人程度と1.5倍以上の増加となりました。
さらに、業務の合理化などが進んだことで、薬剤師不足の時代は終わったのです。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計):雇用関係指標(年度)」から、2010年からの「医師、歯科医師、獣医師、薬剤師」の有効求人倍率を見てみましょう。
<医師、歯科医師、獣医師、薬剤師の有効求人倍率>
2010年 | 5.47 |
2011年 | 5.59 |
2012年 | 6.50 |
2013年 | 6.91 |
2014年 | 6.66 |
2015年 | 6.15 |
2016年 | 5.97 |
2017年 | 5.57 |
2018年 | 4.70 |
2019年 | 3.77 |
2020年 | 2.49 |
2021年 | 1.91 |
2022年 | 2.00 |
この数字は薬剤師だけでなく、医師・歯科医師・獣医師も含まれていますが、それでも有効求人倍率がここ10年で一気に低下していることがわかりますね。
このことからも、薬剤師不足は解消されつつあると言えます。
厚生労働省の「薬剤師の需給調査」には次のように明記されています。
薬剤師の総数としては、今後数年間は需要と供給が均衡している状況が続くことになるが、長期的に見ると、供給が需要を上回ることが見込まれている。
引用:厚生労働省「薬剤師の需給調査」
厚生労働省の「薬剤師の需給動向の予測の統計」を見ても、需要予測を見ても、2020年以降はずっと薬剤師業界は供給が需要を上回る見込みであることがわかります。
あくまで予測なので、絶対に今後薬剤師が不足することはないと断言することはできませんが、薬剤師不足の時代は終わったと言って良いでしょう。
薬剤師の過剰問題については、「薬剤師が過剰になってしまう時代がいつか来る!?」で詳しく説明しています。
薬剤師が不足している地域はまだある
薬剤師が不足しているという時代は終わりました。
でも、これは日本全体の薬剤師の需要と供給を見た場合のこと。
地域によってはまだ薬剤師不足の所は少なくありません。
厚生労働省の「都道府県(従業地)別にみた薬局・医療施設に従事する人口10 万対薬剤師数」のグラフを見ても、まだ薬剤師が不足している都道府県があり、地域格差が大きいことがわかります。
厚生労働省の「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、東京・神奈川・大阪・兵庫などの大都市圏では、薬剤師数が全国平均よりも多くなっています。
また、一部の中国地方(山陽地方)や四国でも薬剤師数は多めです。
しかし、それ以外の地域では薬剤師数は全国平均を下回っています。
特に、沖縄県・福井県・青森県では薬剤師数は少なく、徳島県や東京都の60~70%しかいません。
地方自治体の中には、薬剤師不足解消のために対策を行っているところもあります。
このデータから、薬剤師の需要と供給のバランスは地域格差が大きく、地方(山陽地方や四国などを除く)はまだまだ薬剤師が不足気味であることがわかります。
全国版の需給予測の表には記載されていない、地方についての需給予測の表がもしあったら、上記のような対策を取っている地域では薬剤師不足は少しは解消するかもしれません。
しかし、全国版の需給予測を見ると、今後は薬剤師の供給数は2~3万人増加して供給数が需要数を上回りますが、供給数は需要数より1~2万人多い程度ですから、首都圏や大阪都市圏では薬剤師過剰になったとしても、今後も地方では薬剤師不足が完全に解消されるわけではないと思われます。
薬剤師が不足することは今後ないと考えて転職活動をすべき!
薬剤師は不足していません。
今後、薬剤師が不足する見込みもありません。
ただ、地域格差が大きく、地域によっては薬剤師不足がまだ続いています。
転職を考えている薬剤師はこれを念頭に入れて、転職活動をしていくべきです。
今がチャンスと考えて転職を!
薬剤師は不足していないし、今後も不足する見込みはなく、むしろ供給が需要を上回ることが見込まれるのであれば、転職は今がラストチャンスと考えて転職活動をしましょう。
今後は今よりも薬剤師が不足することはなく、むしろ過剰になる可能性があるのですから、今以上に好条件の求人は出てこない可能性が高くなります。
需要と供給の関係を考慮すれば、これは当然のことです。
だから、今転職を考えている人は、「とりあえず、今回の転職はつなぎのような感じで良いか」ではなく、「定年まで働けるような職場に転職しなければと腹をくくって、転職活動をしましょう。
また、「そのうち転職しようかな」と考えている人は、少し転職時期を早めることを考慮したほうが良いかもしれません。
「そのうち」と思っているうちに、薬剤師の需要がどんどん低くなり、好条件の求人がなくなってしまうかもしれませんから。
地方での転職も選択肢に入れよう
あなたが「とにかく好条件の職場に転職したい」と思っているなら、地方での転職を視野に入れましょう。
薬剤師が不足している地域で働くと、年収は大幅アップが可能です。
全国展開している調剤薬局やドラッグストアでは、地方勤務OKなら基本給が高くなったりしますし、勤務場所によっては地域手当で10万円近くつくこともあります。
地方は物価が安いので、額面以上に年収アップを実感できるはずです。
しかも、薬剤師が不足している地域なら、薬剤師としてのやりがいを感じやすいでしょう。
地方での薬剤師の転職は「地方は薬剤師不足で高給の求人が多い!?転職の4つのメリットや注意点」で詳しく解説しています。
確かに、地方は都市部に比べると不便さは否めませんが、ネットショッピングなどを活用すれば、「都会が大好き!」というタイプの人でなければ、そこまで不便さは感じないと思います。
まとめ
薬剤師が不足していない現状を知って、「今のうちに転職しておこう」と考えたあなたは薬剤師転職サイトを利用しましょう。
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