薬剤師の再就職は難しい?ブランク明けで転職できる方法はある!
更新:2023/07/13
[不安と悩み, 勤務形態, 雇用条件]「薬剤師の再就職は難しいって聞いたけれど本当?薬剤師って医療系の国家資格だから、ブランクがあっても簡単に再就職できるんじゃないの?」
出産・育児、その他の理由で薬剤師の仕事から離れていた人は、薬剤師は専門職だから簡単に再就職できると考えていませんか?
確かに、薬剤師は国家資格の専門職。
でも、ここ数年は資格を持っていれば、誰でもいつでも簡単に再就職できるというわけでない状況になってきています。
薬剤師の再就職が難しい理由と再就職の難易度を下げる方法をご紹介します。
薬剤師の再就職が難しい理由は需要が減っているから!
薬剤師の再就職は難しいのでしょうか?
「え~?薬剤師は国家資格だから、ブランク明けの再就職も簡単でしょ」
と思っていませんか?
確かに、数年前までは薬剤師の再就職は簡単でした。
でも、ここ数年でその状況は変わり、薬剤師の再就職は難しくなってきているのです。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」の職業別有効求人倍率の推移を確認しておきましょう。
<医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率>
- 2013年:6.91
- 2014年:6.66
- 2015年:6.15
- 2016年:5.97
- 2017年:5.57
- 2018年:4.70
- 2019年:3.77
- 2020年:2.49
- 2021年:1.91
- 2022年:2.00
これは、薬剤師だけのデータではありませんが、有効求人倍率はどんどん下がり、10年前と比べると1/3以下になっていることがわかります。
この有効求人倍率のデータから、薬剤師の需要はどんどん減少していて、求人数も減っているので、薬剤師の再就職は難しくなってきていると言えるのです。
なぜ、薬剤師の需要が減っているのか?
その理由は主に2つあると考えられます。
1つ目は、薬剤師の業務の効率化が進んでいるからです。
IT化・調剤機器の導入などで効率化が進んだことで、以前ほど薬剤師の人数が必要ではなくなってきています。
2つ目の理由は、薬剤師の増加です。
2000年代に薬学部の新設ラッシュがあり、薬剤師資格を持つ人が急増しました。
これら2つの理由から、薬剤師の需要は急激に減少しています。
薬剤師の需要の減少に関しては、「薬剤師は不足していない?これからはどうなる?地域格差が大きい現状を解説」で詳しく説明しています。
需要が減少している中で、新卒組やブランクなしの転職組よりもブランクがある再就職組はどうしても不利になりますよね。
需要が高い状況であれば、ブランクありの再就職でも大歓迎なのですが、需要が低い状況だと、ブランクありの再就職はそう簡単にはいかないことも少なくありません。
薬剤師は再就職が難しいから今すぐ転職すべき!
薬剤師の再就職が難しい理由を見て、ブランクがある薬剤師さんは焦っているのではないでしょうか?
確かに、薬剤師の再就職は難しくなっていますし、簡単にはいかないこともあります。
でも、再就職ができないというわけではありません。
また、需要が低下してきているとはいえ、まだ一般的な仕事よりは需要が高いので、再就職は可能です。
2022年の全体の有効求人倍率は1.16倍。
それに対し、医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率は2.00倍。
これを見ると、まだまだ一般的な職業の人が転職・再就職するよりも、薬剤師は転職・再就職しやすいことがわかります。
薬剤師は1人の求職者に対し2つの求人があるということですから、簡単ではないにせよ、再就職はできます。
ただ、再就職を考えているブランクありの薬剤師さんは、今すぐ再就職に向けて動き出しましょう。
なぜなら、この先、この状況が改善する見込みはなく、むしろさらに需要が低下して、再就職がどんどん難しくなる可能性が高いからです。
厚生労働省の薬剤師の需給予測によると、今後薬剤師は供給が需要を上回ると見込まれています。
引用:「薬剤師の需給調査」
薬剤師の総数としては、今後数年間は需要と供給が均衡している状況が続くことになるが、長期的に見ると、供給が需要を上回ることが見込まれている。
引用:厚生労働省「薬剤師の需給調査」
数年後には供給が需要を上回る見込みということは、薬剤師の需要は今が一番高い。
つまり、今が一番再就職しやすく、今後はさらに再就職が難しい状況になるということです。
だから、再就職を考えている薬剤師さんは、今すぐ再就職のために動き出すべきなんです。
薬剤師の再就職は難しいけれど、難易度を下げることはできる!
薬剤師の再就職は難しいこともあります。
でも、再就職が不可能というわけではありません。
ブランクがある薬剤師さんが再就職をするなら、少しでも難易度を下げるためのポイントを知っておきましょう。
これから説明する再就職の難易度を下げる方法3つのほかに、「地方で再就職する」という方法もあります。
もしあなたが、再就職する場所・地域を自由に選べる環境であれば、「薬剤師は不足していない?これからはどうなる?地域格差が大きい現状を解説」を参考に、再就職活動を進めると良いでしょう。
経験・スキルを活かす
薬剤師がブランクから再就職するなら、経験やスキルを活かしましょう。
ブランク前と同じ分野の職場、ブランク前のスキルを活かせる職場を選ぶと、再就職しやすくなります。
特に、調剤経験がある薬剤師さんは、調剤薬局や調剤併設のドラッグストアに再就職しやすくなります。
逆に、調剤経験がない薬剤師は調剤が必要な職場を選ぶと、再就職はちょっと難しくなるでしょう。
需要がある分野・再就職しやすい職場を狙う
薬剤師が再就職するなら、需要がある分野や再就職しやすい職場を狙うのもポイントです。
いくらブランク前に製薬会社で研究開発の仕事をしていたとしても、ブランク明けで研究開発職に再就職するのは難しいでしょう。
急性期の総合病院で働いていた場合も同様です。
ブランク明けで大学病院や地域の基幹病院に再就職するのは難しいです。
それなら、薬剤師の需要がある分野、再就職しやすい職場を選びましょう。
|
従事している人数 |
求人数 |
従事:求人 |
薬局 |
188,982人 |
36,190件 |
5.2:1 |
病院 |
55,958人 |
2,688件 |
20.7:1 |
企業 |
39,044人 |
4,794件 |
8.2:1 |
出典:「令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」とマイナビ薬剤師
これを見ると、薬局は従事者に対して求人数が多いため、薬剤師が不足している分野であることがわかります。
でも、病院の従事者は薬局の3分の1程度ですが、求人数は13分の1以下しかありません。
このことから、病院は薬剤師が不足しておらず充足していると言えるのです。
企業も充足傾向ですね。
ということは、再就職をしたい薬剤師はいくら経験があったとしても、病院や企業ではなく、調剤薬局やドラッグストアを選んだほうが再就職に成功しやすいと言えます。
秋~年度末は求人が多い
薬剤師が再就職するなら、今すぐ再就職活動を始めたほうが良いです。
ただ、時期によってはうまくいかないので、長期的に再就職活動を続けたほうが良いかもしれません。
なぜなら、1年の中でも求人倍率は変わるからです。
2022年の医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率を月ごとに見ていきましょう。
<2022年医師・歯科医師・獣医師・薬剤師の有効求人倍率>
- 1月:2.03
- 2月:2.06
- 3月:2.03
- 4月:1.88
- 5月:1.80
- 6月:1.83
- 7月:1.89
- 8月:1.96
- 9月:2.00
- 10月:2.07
- 11月:2.18
- 12月:2.32
引用:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)
年によって多少の差はありますが、基本的に傾向は同じです。
春から夏にかけては求人倍率が低く、秋から年度末にかけて高くなります。
だから、「今すぐ再就職活動を始めたほうが良い」ということは間違いありません。
ただ、春~夏はどうしても求人数が少ないので、再就職活動がうまくいかないこともあります。
「じゃあ、秋から始めれば良いの?」
というとそういうわけではありません。
春~夏だって求人がないというわけではありませんし、将来的な見通しから、今後は秋を待っていてもさほど求人数が増えない可能性もありますので、今すぐ再就職活動を始めて、うまくいかなくてもすぐに諦めずに長期的に求人を探すようにしましょう。
まとめ
薬剤師の再就職が難しい理由や難易度を下げるポイントを説明してきて、
「今すぐ再就職に向けて動かなくちゃ!」と決意して人は、薬剤師転職サイトに登録しましょう。
薬剤師転職サイトでは、ブランクがある薬剤師でも積極的に採用してくれる求人、調剤経験がなくても再就職できる求人を紹介してくれます。
求人紹介だけでなく、再就職が成功するように志望動機を一緒に考えてくれたり、面接対策のアドバイスをしてくれます。
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