薬剤師が薬事衛生の仕事に就くということは?
更新:2023/05/19
[職種・勤務先]薬剤師が薬事衛生に関係した仕事に就くというのは、ある意味当然のことといえるでしょう。
なにしろ、人の命に関わる薬を取り扱うのですから、薬に対する確かな知識と技術を持った薬剤師がその管理、監視に必要なのです。
では、実際にどのような形で薬剤師が薬事衛生に関わっているのかを見て行きましょう☆☆☆
この記事の内容はこれ!
薬剤師と薬事衛生、どう関係してくるもの?
薬剤師と薬事衛生は非常に密接な関係を持っていると言えますが、そもそも薬事衛生とは一体何を示すのでしょうか。
薬事衛生とは、薬学の知識をもとに、医薬品の製造、販売、さらに利用において適切な環境の整備、管理、そして研究を行う以外にも、あまり薬品とは関係ないと思われる、食品や製造などから出る廃棄物、劇薬や毒物等の製造、廃棄における衛生面から、環境面からの管理業務も意味する言葉です。
薬剤師法第1条に「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」と規定されています。つまり、薬事衛生は薬剤師の重要な仕事の1つと言えるのです。
薬剤師の薬事衛生の業務は、薬学の知識に基づいて処理すべき衛生上の事項になります。
大きく分類すれば、日常生活での薬の使用の相談・提案・助言なども、薬事衛生に含まれます。
また、医薬品や医薬部外品、その他毒物・劇物などの製造・販売・管理なども薬事衛生の1つと言えます。
そのため、ドラッグストアでも調剤薬局でも、病院でも製薬会社でも、薬剤師として働いていれば、自然に薬事衛生の仕事に携わることができるのです。
ただ、これはあくまで「薬事衛生」を大きくとらえた場合のことです。
一般的に薬剤師が行う薬事衛生業務とは次のようなものになります。
・病院・クリニック・調剤薬局の開設許可
・医薬品工場の立ち入りや指導
・麻薬の取締業務、薬物乱用防止活動
・無承認無許可医薬品に関する監視指導
・毒物劇物に関する許認可、監視指導
これらの業務が薬剤師の薬事衛生の業務と言えるでしょう。
薬剤師の薬事衛生に関われる仕事って?
薬剤師が薬事衛生をメインに仕事ができる職場は保健所です。
実は、薬事衛生という立場で最も仕事が多いといえるのが、行政の業務なのです。
まずは薬事監視員としての確認業務があります。
民間メーカーでは、医薬品や医療機器、そして食品や化粧品などの製造、販売に管理者としても多くの薬剤師が活躍していますが、公務員として、第三者の立場からそれらのメーカーの創りだした製品品質や製造・販売方法が適切かどうかを確認するのが薬事監視員です。
当人の管理のみでは万全とはいえない安全性、品質を、国を代表して管理・監視により高い水準を維持し続けるために欠かせない重要な仕事といえます。
これは、国内で行われる製造・販売に留まらず、海外から輸入した医薬品やサプリメントなどの医薬部外品を仕入れる輸入業者などもその確認対象となります。
さらに最近では、インターネットによる医薬品販売も行われるようになったことから、薬事監視員の活躍が更に期待されています。
ただ、保健所の薬剤師の業務は薬事衛生だけではありません。
薬事衛生以外にも食品衛生、生活衛生、水道衛生、試験検査などの業務もあります。
保健所の薬剤師については、「薬剤師の転職、保健所で働くということのメリット・デメリット」で詳しく説明しています。
薬剤師が薬事衛生の仕事をするには保健所に転職がベスト?
薬剤師が薬事衛生をメインに仕事をするには、保健所に転職するのが良いでしょう。
保健所に転職すれば、薬事衛生を専門に働くことができます。
ただ、保健所の薬剤師枠はごく少数。
しかも公務員なので、みんな簡単には辞めません。
だから、空きがなければ募集は出ないので、求人が出ることは滅多にありません。
しかも、公務員試験に合格しなければいけませんし、希少求人なので応募が殺到するので倍率は高くなります。
だから、保健所に転職するのは相当難しいと覚悟してください。
もし、あなたが少しでも薬事衛生に携わる仕事がしたいと思うなら、管理薬剤師を目指すのも良いでしょう。
ドラッグストアや調剤薬局、工場などで管理薬剤師として働くと、薬事衛生メインというわけではありませんが、薬事衛生に関係する仕事も業務の一環になります。
管理薬剤師は厚生労働省の「薬局開設者及び医薬品の販売業者の法令遵守に関するガイドライン」
によると、「薬剤師認定制度認証機構に基づく認定薬剤師であって、薬局における実務経験が少なくとも5年はある」としていますので、まずはその条件を満たしてから、管理薬剤師として転職すると良いでしょう。
薬剤師が薬事衛生の仕事をするなら薬剤師転職サイトに登録を!
薬剤師が薬事衛生の仕事をメインにするなら、保健所に転職すると良いでしょう。
業務の一部として携わるなら、管理薬剤師がおすすめです。
保健所への転職は、先ほども説明したように非常にハードルが高いです。
タイミングが合わなければ、お住まいの自治体で何年も求人が出ないことも考えられます。
「保健所の求人待ち」で何年も無駄にするのはもったいないので、とりあえず少しでも薬事衛生の仕事ができるところに転職して、虎視眈々と保健所の薬剤師求人が出るのを待ちましょう。
管理薬剤師の求人は薬剤師転職サイトでたくさん扱っています。
担当者が薬事衛生の中でも具体的にどんな仕事に興味を持っているのかなどあなたの希望を聞いて、その希望が少しでも叶う職場の求人を紹介してくれますよ!
いざというときに備えて薬剤師転職サイトに登録しておこう!
おすすめの薬剤師転職サイト
※よりあなたに合った担当者、求人と出会えるように、複数の転職サイトに同時登録して比較することをおすすめします。
【1位】:マイナビ薬剤師
オススメ度:★★★★★
運営:㈱マイナビ
マイナビ薬剤師は求人の数・質共に業界トップクラスで、利用者満足度の高いサービスです。企業系の求人に強いという特色もあり、親身に相談に乗ってもらえますのでイチオシです!
【2位】:エムスリーキャリア
オススメ度:★★★★☆
運営:エムスリー株式会社
マイナビだけでは不安・・・という時の併用にオススメです。年収の高い求人に強く、スピード感のあるサービスが売りの薬剤師転職サイトです。
執筆者情報
- 薬剤師転職JAPANは、厚生労働大臣から転職サポート(有料職業紹介事業)の許可を受けた(許可番号13-ユ-314851)株式会社ドリームウェイが運営するメディアです。転職サポートの経験を活かし、定期的なリライトや専門書を用いたファクトチェックなど、ユーザーに正確な最新情報を届けられるよう努めています。