調剤薬局が24時間対応になるということ
更新:2023/04/24
[不安と悩み]調剤薬局の24時間対応という動きがありますが、その実態はなかなか知られていません。
そもそもなぜ24時間対応が今になって必要とされているのか、薬剤師が調剤薬局で働く上でそれがどのように影響をあたえるのかなどを見て行きましょう☆☆☆
調剤薬局が24時間対応を目指すのは?
調剤薬局が24時間対応を目指す理由には、在宅医療が大きな割合を占めまします。
厚生労働省は、医療費抑制を目的として入院長期化を抑えようとしていることから、在宅診療の充実を重要視しています。
具体的な内容としては、地域包括診療という形の取り組みを推進することによって、かかりつけ医、かかりつけ薬局の存在を定着させようとしているのです。
そのため、在宅患者訪問に関し、加算点数をわざわざ設けているのです。
調剤薬局の取り組みとしては、門前薬局の薬剤師が病院の薬剤師と連携を取り、それぞれの患者さんに合ったお薬をきちんと服用してもらえるように服薬指導にも力を入れていたり、医師の在宅診療と連携し、訪問型の調剤サービスを積極的に行うということが挙げられます。
今までのイメージから言うと、調剤薬局といえば、病院やクリニックの前にひっそりと佇み、お客さんが来るのを待ち構えるだけでした。
その後に終業時間が来ると勝手に閉まるという感じでした。
しかし、実際のところは、店舗に書かれている代表番号に電話をかけると、担当の薬剤師が対応をしてくれ、たとえ業務時間外であっても、素早く店に駆けつけてくれることが通常になるまでのレベルに達しているのです。
これが今の、要求される、かかりつけ薬局の形なのです。言い換えれば、地域に密着したコンビニエンスストアのような店舗運営をしないと、地域の医療機関からも見放されて、他のライバル薬局達との競争についていけず、負けてしまう運命が待っているということです。
調剤薬局大手では、24時間開局をすでに実施している物もあり、全てでなくとも、一部店舗で24時間経営、というところも少なくありません。
他にも、24時間対応できるために、「仮眠室」を設けるなど、そもそもの店舗設計を含めた準備を進めている薬局もあります。
調剤薬局が24時間対応にする行政の工夫
調剤薬局の24時間対応は求められてはいますが、実際のところ、調剤薬局が、24時間営業を行うことに対するニーズというのはあるのでしょうか。
外食チェーンやコンビニストアのような店舗であれば、どの時間帯でもある程度の集客は期待できますが、夜間や早朝も薬剤師を常駐させることに対するニーズは、夜間も動いている救急病院の門前薬局などを除けば、殆ど無いといってよいでしょう。
個人クリニックなどで急診に備えて、薬局側に24時間対応を求めたとしても、その頻度は月に1回あるかないか、という状況ではそもそも必要性があると思えない、という話です。
そのことを考慮し、厚生労働省は、2本立ての施設基準を設け、取り組み強化を促しています。
それがこちらの「24時間開局」と「24時間調剤等体制」です。
「24時間調剤等体制」は、自局を含め、10未満の調剤薬局が連携して在宅患者を対象に薬学的管理や指導を行う体制を含め、24時間の管理体制で整備することを指します。
もともと調剤薬局は、たとえ営業時間外でも管理薬剤師が転送電話などで処方薬に対する質問や疑問といったものに対処してきましたが、今回の見直しでは、これとは更に異なるサービス対応を求めていると言っていいでしょう。
言い換えると、この「24時間調剤等体制」とは、営業時間外でも医師の要請で緊急に医療用医薬品を患者さんに提供する場合、薬局の薬剤師は、すぐに薬局に駆けつけて、処方薬を患者さんのもとに届ける体制を常に整えておくことを求めています。
当番の薬剤師は、たとえ外出先や自宅でくつろいでいても、転送電話を持っていたら、いつ呼び出されるか分からないというスクランブル状態になります。
調剤薬局が24時間対応になった時の勤務時間
調剤薬局が24時間対応になれば、当たり前ですが勤務時間の心配が出てきます。基本的にこの24時間体制を行う上で不可欠なのが転送電話です。
もちろん、24時間常駐型であれば、シフト制で仮眠室などの利用ができますが、そのような設備や制度がなければ自宅待機が通常です。
そして、転送電話を持っている人が必然的に電話に出て場合によっては薬局に駆けつけなければならないので、その人が営業時間外に仕事をしなければならなくなります。
もちろん、その勤務している時間中は給料が出るのが普通ですが、転送電話は持ち回り制にしている薬局が多く、特別な理由がない限りその仕事を拒否することが難しい場合がほとんどです。
店舗が大きくて、薬剤師の人数が多ければその当番が回ってくる頻度は少ないですが、人数が少なければ1日か2日おきに当番が回ってきてもおかしくありません。
調剤薬局の24時間対応体制が進められる中で、絶対にこのような緊急出勤が無いという場所は見つけづらくなりますが、より当番が回ってきにくい場所なり、人数の多い転職先を探すことは可能です。
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