管理薬剤師の年収 いくらぐらい?年収平均を5つの業種別に徹底解説!
更新:2023/03/31
[給料・年収]「管理薬剤師の年収っていくらぐらいなの?年収1000万円はさすがに無理だよね。」
「管理薬剤師として働くなら、どこが年収高いんだろう??調剤薬局?ドラッグストア?病院?」
あなたは管理薬剤師の年収が気になっているのですね。
確かに、管理薬剤師として働くと、一般の薬剤師よりも年収は高そうです。
でも、具体的にいくらぐらいなのか気になりますよね。
ここでは管理薬剤師の年収はいくらぐらいかを徹底的に深掘りして解説していきます。
また、調剤薬局、ドラッグストア、病院、製薬会社、卸販売企業の5つの業種別に管理薬剤師の平均年収を説明してきます。
これを読めば、管理薬剤師の年収の具体額が丸わかりですし、どの職場で働くとしっかり稼げるかがわかりますよ。
目次
管理薬剤師の年収はいくらぐらい?
管理薬剤師の年収はいくらぐらいなのか気になりますよね。
管理薬剤師の平均年収は、ずばり
年収600〜700万円前後
となります。
これについて、詳しく掘り下げていきましょう。
基本給
管理薬剤師の基本給は、基本的には一般の薬剤師と同じです。
管理薬剤師だから特別に高いということはありません。
転職したばかりの頃は、それまでの薬剤師としての経験年数を考えて、経験加算が付いて基本給が決まります。
そして、管理薬剤師として長く勤めていくことで、少しずつ昇給していくことになりますね。
ボーナス・賞与
管理薬剤師のボーナスは、その職場によっていくらぐらい支給されるかは異なります。
厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によれば、
<薬剤師の平均ボーナス額>
- 87万7,100円
となっています。
これは、管理薬剤師ではなく薬剤師全体の平均ボーナス額ですが、ボーナスは基本給の額で決まりますよね。
そして、管理薬剤師の基本給は一般の薬剤師の基本給とはさほど変わりませんので、この平均ボーナス額は参考になると思います。
管理薬剤師手当
続いて、管理薬剤師手当についてです。
管理薬剤師になると、「管理薬剤師手当」が付きます。
これがあるから、管理薬剤師になると年収がアップするんです。
この管理薬剤師手当は、職場によって大きな差があります。
- 管理薬剤師手当:3〜15万円
かなり差があるのがわかると思います。
管理薬剤師手当が3万円の職場の場合、
- 3万円×12ヶ月=36万円
管理薬剤師になることで、年収は36万円アップとなります。
それに対して、管理薬剤師手当が15万円の職場だと、
- 15万円×12ヶ月=180万円
管理薬剤師になると、年収は180万円もアップするんです。
つまり、管理薬剤師として働いて、年収をアップさせるには、管理薬剤師手当が高い職場を選ぶことがポイントになるんですね。
残業手当
次は残業手当です。
ハッキリ言えば、管理薬剤師になると残業手当が付かないことが少なくありません。
もちろん、管理薬剤師でも残業手当をしっかりつけてくれる職場もありますが、「管理薬剤師=管理職」とみなされて、残業手当は付かない職場もあるんです。
ある程度残業があった場合でも、管理薬剤師手当が高額なら、残業手当が付かなくても、
「仕方ないな」
と割り切ることができます。
でも、残業が多くて管理薬剤師手当が少額なのに残業手当が付かないと、サービス残業になりますので、
やってられるかぁ!
と叫びたくなりますよね。
昇給
「管理薬剤師になると、昇給はするの?」
という疑問を持っている人もいると思います。
管理薬剤師になっても、基本的に昇給はありますので安心してください。
薬局長(管理薬剤師)の年齢別の平均月収をご紹介します。
人事院の平成30年職種別民間給与実態調査の結果によれば、
- 32〜36歳=40万3,620円
- 36〜40歳=41万2,559円
- 40〜44歳=48万6,842円
- 44〜48歳=47万4,025円
- 48〜52歳=48万2,398円
- 52〜56歳=47万7,983円
- 56歳〜=50万7,615円
となっています。
これは平均データですので、年齢と月収がキレイに比例しているわけではありませんが、年齢が上がれば、給料も上がることがわかると思います。
ただ、職場によっては「昇給は40歳まで(50歳まで)」のようにしていて、その年齢以降は昇給なしということもあるので、注意が必要です。
その他手当
管理薬剤師のその他手当は、ほかの薬剤師と同じです。
職場によって異なりますが、
- 住宅手当
- 家族手当
- 通勤手当
などが付くことがあります。
あなたが世帯主であれば、住宅手当や家族手当は年収を大きく左右するものですから、転職前には必ずチェックしておきましょう。
また、通勤手当は上限が設定されていることも少なくありませんので、その上限を超えないかどうかは確認が必要です。
車通勤の場合は、ガソリン代が支給されるかも重要です。
調剤薬局の管理薬剤師の年収は1000万円も夢ではない!?
管理薬剤師の年収、まずは調剤薬局の年収を考えていきましょう。
調剤薬局の管理薬剤師の平均年収は中央社会保険医療協議会の「第20回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告によれば、
<調剤薬局の管理薬剤師の平均年収>
- 773万3,306円
となっています。
年収高っ!!
そうですね。
調剤薬局の管理薬剤師になると、年収750万円以上を見込めるということになります。
ちなみに、中央社会保険医療協議会の「第20回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告によると、調剤薬局の薬剤師の平均年収は、474万3,650円ですので、管理薬剤師になることで、年収は大幅にアップすることがわかります。
もし、あなたが「もっと稼ぎたい!」と思っているのであれば、規模の小さい会社の調剤薬局、できれば個人経営の調剤薬局の管理薬剤師になると良いですよ。
中央社会保険医療協議会の「第20回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告によれば、
<店舗数別の管理薬剤師の平均年収>
- 1店舗=914万6,832円
- 2〜5店舗=827万3,041円
- 6〜19店舗=732万2,194円
- 20店舗以上=632万9,492円
となっています。
これを見てわかるように、店舗数が多くなればなるほど、調剤薬局の管理薬剤師の年収は下がります。
1店舗だけの調剤薬局で管理薬剤師になれば、年収900万円以上を稼げるんです。
田舎になると薬剤師不足が深刻になり、給料・待遇が良い求人が多いですから、田舎の1店舗のみの調剤薬局で管理薬剤師として働けば、年収1000万円も夢ではないんです。
年収1000万!
夢が広がりますよね。
もちろんですが、管理薬剤師になれば運営面やマネージメントに関して調剤薬局の中の様々な管理責任が求められますので、年収の分だけきちんと責任が伴うことを忘れてはいけません。
ドラッグストアの管理薬剤師の年収は仕事内容と見合わないかも?
ドラッグストアの管理薬剤師の年収の正式なデータはありませんが、ドラッグストアの管理薬剤師の求人を見る限り、次の年収であると推測できます。
<ドラッグストアの管理薬剤師の年収>
- 年収500〜600万円
最初に紹介した管理薬剤師の平均年収よりもやや低めになります。
ドラッグストアの管理薬剤師の仕事はちょっと大変です。
ドラッグストアの管理薬剤師は、薬剤師としての仕事だけでなく店長としての仕事もあるためです。
- 薬剤師としての仕事
- スタッフの指導、管理
- 売上管理
- 顧客管理
- 本社との連絡、情報伝達
さらに、OTC販売のみの店舗だと薬剤師は自分1人しかいないので、責任が重く、プレッシャーもかかります。
だから、ドラッグストアの管理薬剤師は仕事量も多く、責任もある仕事の割には、年収はさほど高くない。
つまり、ドラッグストアの管理薬剤師は、割に合わないと言えるかもしれません。
病院の管理薬剤師の年収は意外と高い!
病院の管理薬剤師の年収は、おそらくあなたが思っている以上に高いと思います。
人事院の平成30年職種別民間給与実態調査の結果によれば、
<管理薬剤師(薬局長)の平均年収>
- 663万7,628円
となっています。
こちらは、人事院のデータである管理薬剤師(薬局長)平均月収48万44円の12ヶ月分に薬剤師のボーナスの平均額である87万7,100円を足した数字です。
病院で管理薬剤師になると、年収は650万円以上を狙えるということです。
意外と高いですよね。
もう1つ根拠を示します。
中央社会保険医療協議会の「第20回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告によると、
<病院で働く薬剤師の平均年収>
- 557万6,849円
となっています。
ここに管理薬剤師手当を加えてみましょう。
管理薬剤師手当は先ほど説明したように3〜15万円と幅がありますので、間を取って8万円として計算しましょう。
8万円×12ヶ月=96万円
この96万円を病院薬剤師の年収にプラスします。
557万6,849円+96万円=653万6,849円
どうですか?
やっぱり病院で管理薬剤師になると年収650万円以上を狙えるという結果になりましたよね。
病院薬剤師は、薬剤師の中でも特に年収は低めであると言われています。
新卒薬剤師の年収は300〜350万円が相場とされていますから。
だから、あなたは
「病院で管理薬剤師になっても、どうせ年収は低いでしょ?」
と思っていたかもしれません。
でも、それは間違い!
病院で管理薬剤師になれば、年収650万円以上を見込めるんです。
ただ、病院で管理薬剤師になるのは、調剤薬局やドラッグストアに比べると、ハードルは高めですね。
病院は調剤薬局やドラッグストアに比べると、求人数は少なめです。
また、新卒から定年まで長く勤める薬剤師も多いです。
だから、中途採用の薬剤師が病院の管理薬剤師になるのは、ちょっとハードルが高いです。
もし、病院の管理薬剤師を狙うなら、小規模の慢性期病院がおすすめです。
製薬会社の管理薬剤師の年収は意外と低い!
製薬会社の管理薬剤師になると、高年収を狙えると思っている薬剤師さんは少なくないと思います。
製薬会社の薬剤師の年収は高いイメージがありますから。
でも、製薬会社の管理薬剤師の年収は意外と低いんです。
<製薬会社の管理薬剤師の年収>
- 400〜600万円
「管理薬剤師でこの年収?」
と思う人もいるかもしれません。
でも、これが現実です。
確かに、大手の有名製薬会社で管理薬剤師になれば、年収1000万円も夢ではありません。
でも、大手製薬会社で管理薬剤師になるには、新卒で入社して、入社後の出世競争にも勝たなくてはいけません。
中途採用の求人はほぼ出ることはないです。
そして、たとえ希少な求人に応募して採用されても、中途採用の薬剤師が管理薬剤師になることは、不可能とは言いませんが、かなり難しいと言えるのです。
中小の製薬会社で管理薬剤師の求人を見ると、年収400〜600万円程度となることが多いです。
だから、管理薬剤師として高年収を稼ぎたいなら、製薬会社への転職はあまりおすすめできません。
もし、年収はそこそこで良いから、製薬会社で管理薬剤師の仕事をしたいというなら、先ほど言ったように中小の製薬会社が狙い目です。
中小の製薬会社なら、数は決して多くありませんが、管理薬剤師の求人はあります。
ただ、当然ながら管理薬剤師になれる部署であることがまず必要です。
また、薬剤師であれば必ず管理薬剤師ということではないので管理薬剤師になれるかどうかはきちんと確認しておきましょう。
ちなみに国に申請を出したり、工場の管理薬剤師になる場合は管理薬剤師は必要ですが、顧客対応など患者さん側に立つ営業や品質保証であると不要であることが多いです。
卸売販売業の管理薬剤師の年収はまず管理薬剤師が必要とされているかを確認!
卸売販売業の管理薬剤師の年収は企業規模などで変わってきますが、医薬品卸企業勤務の管理薬剤師の年収は400〜550万円くらいだと言われています。
実際に、卸販売業の管理薬剤師の求人を見てみると、550万円以上のものはほぼありません。
ただ、医薬品卸企業の中でも、大手企業を選べば話は別です。
大手企業に転職すれば、福利厚生が充実していますので、結果的には高い給与に計算できるでしょう。
また、調剤薬局やドラッグストアと同様に管理薬剤師手当てがあり、企業にもよりますが大体5万円程度もらえる場合が多いです。製薬企業薬剤師になる場合と同様に、下調べが肝心です。
管理薬剤師になるには実務経験3年以上が目安
管理薬剤師の年収はいくらぐらいかを説明してきました。
ところで、あなたは管理薬剤師になるにはどうすれば良いのか知っていますか?
実は管理薬剤師になるには特別な資格は必要なんいんです。
ただ、目安として実務経験は3年以上は必要です。
また、その職場で管理薬剤師のポストが空いているかを確認することも、管理薬剤師になるには重要です。
管理薬剤師になりたいなら、以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひ読んでみてください。
まとめ
管理薬剤師になると、今までよりも年収がアップすることは確実です。
ただ、職場によって年収に大きな差がありますので、注意が必要です。
もちろん、管理薬剤師としての仕事内容も違いますので、年収だけでなく仕事内容も確認しておきましょう。
管理薬剤師で、という点でこだわるのであれば、まずは管理薬剤師になれる状況の職場であることを確認しておきましょう。
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